脆弱で矮小な身体と絶対的な愛

油画
80×70

私の身体は限りなく危うい状態で精神に繋がっているけれど

だからといって身体を野放しにすることも許せない

認識は常に身体という媒体を通してしか得られないため

私の精神世界は常にこの身体性に支えられ構築されている

私はこの身体の消失の後に精神がなお存在可能であるとの証拠を得ていないからして

日々の鍛錬は、この精神と身体の首の皮一枚の接続維持のために行なっているに他ならない

歓びも、快楽も、痛みや苦しみよりリアルにはなり得ない

身体が精神と同等の痛みや苦しみを共有することで初めて

この脆弱な媒体を通して世界を捉えることができる

血反吐を呑み込み、枯渇した泉の元に立ち尽くし

私は最後にもう一度涙を流そうと試みる

がりりと齧れば消えてしまう

この実態としての1つのリンゴではなく、

1という概念になりたい

意味の不在を否定するものとしての、

0という記号になりたい